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  • THE NAGANUMA CHANNEL
日時
2016年7月2日(土) 13:30~16:40 (途中10分休憩)
会場
学校法人長沼スクール 東京日本語学校
受講料
6,480円(消費税込)

7月2日(土)

13:30 ~ 16:40
(途中10分休憩)

「日本語の『声』」 受動文、自発文、敬語文、可能文の分析を通して

講師:牧野成一(プリンストン大学名誉教授)

英文法では受動態のことをPassive Voiceと言いますね。今回の私のお話のきっけとなったのは、このVoiceを日本語で「声」と呼んだらどんなことが分かるだろうか、という思いつきです。

受動文は60年代にチョムスキーの変形文法の理論でしばしば取り上げられた文法です。この講演ではまず受動文の分析から入って行きます。みなさんが英文法を習ったときに、例えば、John loves Maryを受動文にするには目的語のMaryを主語にして、主語のJohnをby Johnとし、述部のlovesをis lovedとして、Mary is loved by Johnになると習ったと思います。これは深い意味構造を無視した受動文の引き出し方です。日本語の「メアリーはジョンに愛されている」の受動文も能動文「ジョンはメアリーを愛している」から受動文を出すと,受動文の意味はよく分からないのです。受け身の「声」を発している「メアリー」がはじめから主語に来て、述部に「られている」があり、出来事の内容「ジョンがメアリーを愛している」が文としてはめ込まれ、全体が情意的な意味構造になっています。出来事の述部は必ずしも他動詞とは限りません。自動詞でも問題がありません。ではどんな自動詞でもいいかと言うとそうではありません。ここで新しいことがもう一つ出てきます。それは何かが自然に起こることを示す一群の「自発動詞」は受動文では使えないのです。つまり、受動の声はある出来事が自然に起きて、それに対して「ああ、よかった!」、「ああ、うれしい!」、「ああ、嫌だ!」、「ああ、かわいそうだ!」といったさまざまな程度の感情表現を表します。(例外はありますが、それについても説明を加えます。)私のお話の後半部分では、古代日本語から続いている典型的な自発文以外に、敬語や可能文がどうして受け身の声で使われている「(ら)れる」が使われているのかという問題を統合的に取り上げます。日本語には勿論能動の声を表す表現はたくさんありますが、自発的なパトス表現(感情表現)が多いと思います。英語は日本語と異なり、受動の声がないわけではありませんが、それを使うことをためらう心理が強く、日常会話でも能動の声が圧倒的に強いという印象があります。

日本語教育でもさまざまな文法を統括的に説明し、文型を教えることが大事ではないでしょうか。

牧野成一教授
牧野成一教授

1935年東京生まれ。早稲田大学(英文学)と東京大学(言語学)から、それぞれ学士号と修士号を取得。1964年にフルブライト給費留学生としてアメリカに渡り、インディアナ大学(ブルーミントン)で言語学を学ぶ。その後、イリノイ大学(シャンペン・アーバナ)より1968年に言語学博士号を取得。1968年から1991年春までイリノイ大学で、1991年秋からプリンストン大学で日本語・言語学の教授として日本語、日本語学、日本文化を教え、2012年7月に退職、名誉教授になる。

1996年以降、毎夏コロンビア大学(ニューヨーク)での日本語教育修士のプログラムを担当、日本語教授法と言語学を教えてきている。その他1990年からはアメリカ外国語協会(ACTFL)の主催する口頭能力試験(OPI)のワークショップを米、日、仏、中(香港)などで行ってきている。目下の研究テーマは認知言語学の枠組みで比喩、数、人称、日本語の多様性、日本語作家の分析、翻訳で失われるものを研究している。 2003−2006年に全米日本語教育学会 (ATJ) の会長を務める。2001年にはアメリカのModern Language Association (ADF賞)を、2007年には日本語教育学会賞を授与される。2014年に叙勲(瑞宝章中綬章)を授与される。

主な著書
  • Some Aspects of Japanese Nominalizations, Tokyo: Tokai University Press, l969.
  • 『ことばと空間』東京:東海大学出版, 1978.
  • 『くりかえしの文法』東京:大修館, 1980.
  • (With M. Tsutsui) A Dictionary of Basic Japanese Grammar, Tokyo: Japan Times, l986.
  • (With M. Tsutsui) A Dictionary of Intermediate Japanese Grammar,Tokyo: Japan Times, 1995 .
  • 『ウチとソトの言語文化学 –文法を文化で切る』東京:アルク, 1996.
  • (With S. Nakada & M. Ohso) 『日常日本語バイリンガル辞典』東京:講談社インターナショナル, 1999.
  • (With S. Kuno & G. Strauss) (edited) Aspects of Linguistics In Honor of Noriko Akatsuka, Tokyo: Kurosio, 2007.
  • A Dictionary of Advanced Japanese Grammar (with M. Tsutsui), Tokyo: Japan Times, 2008
  • 『日本語教育と日本研究の連携』(C. Thomsonと共編)東京:ココ出版, 2010.
  • (With M. Oka) A Dictionary of Metaphors Common to English and Japanese, Tokyo: Kurosio (出版予定),

目下、中公新書のために『翻訳で何が失われるか』を執筆中。その他、言語学及び日本語教育関係の論文多数。

申し込み方法

参加ご希望の方は、申込書をダウンロードして下記E-MAIL宛に添付してお送りください。 なお、ファックスあるいは郵送でも受け付けています。

E-MAIL:info@naganuma-school.ac.jp

TEL:03-3463-7261 FAX:03-3463-7599

特別講座事務局:牛木

申込期限: 2016年6月27日(月)

定員になり次第、締め切らせていただきます。

お振込み先については、受付後ご案内致します。

尚、1度納められた受講料は理由の如何に関わらず、お返しできません。

日本語教師春季集中セミナーは、好評のうちに終了いたしました。ありがとうございました。

2014年11月より配信されているオンライン人気講座「インタラクティブ・ティーチング」(gacco.org)の主任講師によるセミナーです。あなたの授業を次のステージへ進めませんか。

日時
2016年3月27日(日) 9:20~12:30 13:30~16:40
会場
学校法人長沼スクール 東京日本語学校
受講料
12,960円(消費税込)

3月27日(日)

9:20~12:30
13:30~16:40

学生の学びのために自分の教育についてふりかえってみませんか?
―ポートフォリオ・チャート作成による自分の教育理念と改善への気づき―

講師:東京大学 栗田佳代子先生、吉田塁先生

講師より:
みなさんは教育の改善を普段どのように行っていますか?よりよい教育を目指す方法として、本セミナーでは自己省察に注目します。日頃行っている教育活動についてご自身でふりかえっていただき、自分が持っている理念や方針を言語化して具体的な方法にひもづけていくことで、改善の緒を見いだしていきます。自己省察を通して自分の教育を再発見してみませんか。

栗田佳代子先生

東京大学大学総合教育研究センター准教授。博士(教育学、東京大学)。東京大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科単位取得退学の後、日本学術振興会特別研究員(PD)、カーネギーメロン大学Visiting Scholar、大学評価・学位授与機構准教授等を経て、2012年11月より現所属に特任准教授として着任し、2015年10月より現職。専門はファカルティ・ディベロップメント、特に教員のポートフォリオの開発と普及支援・質保証。現在大学教員を目指す大学院生を対象にした「東京大学フューチャーファカルティプログラム」を担当。また,2014年11月より配信されているオンライン講座「インタラクティブ・ティーチング」(gacco.org)の主任講師をつとめる。好きな言葉は「歩けばそれが道」。

吉田塁先生

東京大学総合文化研究科・教養学部特任助教。博士(科学、東京大学)。東京大学工学部を卒業後、同大学院新領域創成科学研究科修士課程、博士課程を修了。東京大学大学総合教育研究センター特任研究員を経て、2015年10月より現職。専門はファカルティ・ディベロップメント、アクティブ・ラーニング。大学教員の責務である教育、研究、サービス(社会貢献、管理運営)の活動に関する振り返りを促進するポートフォリオの研究および学生の主体性を高め、学びを深めるアクティブ・ラーニングの普及活動に従事。好きな言葉は「If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.」。

日本語教師冬季集中セミナーは、好評のうちに終了いたしました。ありがとうございました。

「教えたのに、できていない!」「これ、初級で習いましたよね!」などということがありませんか。もちろんわが身を振り返ると習ったことが全てできるはずがないことはわかるのですが、それはなぜなのでしょうか。今回の冬季セミナーでは学習者を知り、学習者がより学びやすいアプローチを考えることをテーマとしました。日本語教師必修(!)の心理学と第二言語習得論です。

日にち
2015年12月19日(土)、23日(水・祝)
会場
学校法人長沼スクール 東京日本語学校
対象
現職日本語教師、養成講座修了生、日本語ボランティアなど、日本語教育に関わる方
受講料
12/19(土) 6,480円 12/23(水・祝) 12,960円
2日間受講:16,200円

12月19日(土)

13:30 ~ 16:40
(途中休憩あり)

学習者の認知過程・認知特性の心理学

柏崎秀子先生(実践女子大教授)

学習や教育の際、学習者の認知過程にも目を向けることが大切です。学習者は学習事項を単に受容するのではなく、自らの知識を活用しながら、能動的に理解し記憶しています。また、各自の認知特性によって、イメージで考えたり概念的に考えたりと、捉え方の得意不得意の傾向も異なります。認知の過程と特性の心理学から、学習の在り方を考えます。

柏崎秀子先生
柏崎秀子先生

実践女子大学教授。臨床発達心理士。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程(人間発達学)単位取得退学。日本語教育の職を経て、現在は教職課程で教育心理学を担当。主な専門領域は、認知・言語心理学、教育心理学。主な著書に『教職ベーシック 発達・学習の心理学』、『日本語教育のための心理学』(共著)などがある。好きな言葉は「置かれた場所で咲く」。

12月23日(水・祝)

9:20 ~ 12:30 /
13:30 ~ 16:40
(途中休憩あり)

日本語の習得研究は教師にとってなぜ重要か

(午前) タスクを通して学ぶ第二言語習得研究
(午後) 「わかる(知識)」から「できる(運用)」へ

迫田久美子先生(国立国語研究所教授)

第二言語習得研究は、教育現場の教師に最も身近な研究領域です。それはなぜか、日本語の何が難しいのか、なぜ誤用が起きるのかなど、基礎から最新の研究まで紹介します。実際のデータを紹介しながら、タスク参加型でわかりやすく、講義します。また、どうすれば、「わかる(知識)」と「できる(運用)」を繋ぐことができるのかについても考えます。

迫田久美子先生
迫田久美子先生

国立国語研究所教授。博士(教育学)。専門は日本語教育学,第二言語習得研究。主な著書に『中間言語研究 ―日本語学習者による指示詞コ・ソ・アの習得―』、『日本語学習者の文法習得』(共著)、『日本語教育に生かす第二言語習得研究』、『プロフィシェンシーを育てる ―真の日本語能力を求めて―』(共著)などがある。好きな言葉は「継続は力なり」で、将来の夢は80代で書道の先生です。

日本語教師夏季集中セミナーは、好評のうちに終了いたしました。ありがとうございました。

受講料
5日間 54,000円(希望日のみの受講可、1日につき12,960円)税込
会場
学校法人長沼スクール 東京日本語学校
対象
現職日本語教師および、養成講座修了生、日本語ボランティア

現職日本語教師のためのブラッシュアップセミナーです。今年も第一線でご活躍中の講師陣をお迎えしました。 授業に直結したワークショップを取り入れた講座を通して、教師改善力を高めていきましょう!

8月10日(月)

9:20 ~ 16:45

人間解放の教授法-さらばAL・CA!!

(午前) ドラマ化練習 / 作文指導
(午後) 漢字指導 / 教科書分析

講師:川口義一(早稲田大学名誉教授 言語・生活研究所代表)

昨年の本講座では、60~70年代の教授法を初級日本語教育に蘇らせるお話をしました。本年は、昨年割愛したドラマ化練習・作文指導・漢字指導の分野と、教科書分析によるよりよい教室活動の創造について、昨年同様、様々な教授法理念の応用から検討したいと思います。その理念は、ALやCAの構造的欠陥を克服し、学習者主体の人間解放教育への展望を開くものです。今回も、担当講師の初級教育実践の成果を基に、ワークショップ形式で議論していきましょう。

8月11日(火)

9:20 ~ 16:45

学習力を改善させる自己啓発

(午前) 教室での説明活動を導入しない反転授業とは
(午後) 教師と学習者が工夫する自律学習能力の向上とは

講師:宮崎里司(早稲田大学)

教室活動を学習者主体に変換させるための手法として、学校教育では、反転授業が採りいれられはじめています。ここでは、日本語教育に、反転授業をどのように採り入れ、教師の役割はどのように変わるのかを考えます。午後の部では、反転授業がめざす自律学習能力を向上させるためのワークショップをデザインします。具体的には、ポートフォリオの有効活用について説明すると共に、学習者が、自らの学びをどのように自己管理すべきかについて考えます。

8月12日(水)

9:20 ~ 16:45

ICTを授業に活かす

(午前) 教材進化論 紙メディアから編集可能なデジタルデータへ
(午後) みんなで作っている日本語教育AVリソースサイト TMU mic-J

講師:西郡 仁朗(首都大学東京)

現在の日本語教育では、メディアやICT機器を操作することや、インターネットを通じて種々の情報を収集し、また発信することがますます重要になってきています。ICTというと、ともすれば機器の利用に振り回されこともありますが、本当は、人の技で行ってきたことの置き換えプラスαであり、情報のコンテンツ(中身)と人間同士の交流(機械を介することもある)が一番大切です。こうした点を踏まえた授業にしたいと思っています。
※都合により、講師が変更されました。

8月13日(木)

9:20 ~ 16:45

ビジネスプロセスを取り入れる日本語教師・トレーナーとは?

講師:近藤彩(麗澤大学)

この数年、ビジネスコミュニケーションについて企業関係者とコラボレーションをし、調査やリソース開発を行ってきました。その成果を踏まえ、今回の研修では、ビジネスプロセスを取り入れる「人材育成」の手法を講義とワークショップ形式で共有します。ケース学習やタスクデザインについても検討し実践の改善を行います。

8月14日(金)

9:20 ~ 16:45

自立した書き手を育てるための文章指導

講師:石黒圭(国立国語研究所)

日本語で文章を書く必要性に迫られているのは、初級学習者でも中級学習者でもなく、論文やレポート、ESやビジネス文書を母語話者と対等なレベルで書かなければならない上級学習者でしょう。講座では、上級学習者がどのように長い文章を書いていくのか、そのプロセスを分析すると同時に、その分析を踏まえた、自立した書き手を育てる指導法を考えます。

日本語教師のための対照言語講座は、好評のうちに終了いたしました。ありがとうございました。

受講料
  • 夏季集中セミナー受講なしの場合:
    1講座 6,480円 2講座 12,690円
  • 受講日数に関わらず、夏季集中セミナーお申し込みの場合:
    1講座 5,400円 2講座 10,800円
会場
学校法人長沼スクール 東京日本語学校

外国語と日本語の違いを知り、学習者の言語文化を知り、学習者の特性を知る講座。

8月9日(日)

13:30 ~ 16:40

日英対照言語講座

講師:水谷信子(お茶の水女子大学・明海大学 名誉教授)

日本語と英語との対照によって明らかになることを、日本語教育上の参考という観点からとりあげてお話しします。前半では構造面の対照を中心とし、英語の音節と日本語の拍、アクセント、卓立、構文、時の表し方、受け身、否定などを扱います。後半では言語行動面を中心とし、あいづち、依頼表現、詫びと説明、親愛と寄り添いなどの対照から、英語話者とのコミュニケーションの問題も考えたいと思います。

8月11日(火)

18:00 ~ 21:10

日亜対照言語講座

講師:スライマーン・アラーエルディーン(東京外国語大学)

本講義では、アラビア語が話されている地域やアラビア語の音声・文法体系について概説した後、具体例を挙げながらアラビア語と日本語の類似点と相違点を指摘し、アラビア語の背後にある文化や価値観がどのようにアラビア語の言語・非言語形式に現れているのか、アラブ人の日本語学習者と日本人のアラビア語学習者にとっての主な困難点は何かを見ていきます。
03-3463-7261

平日9:00から17:00
(日本時間)

英・中・韓・越 対応可